里山日記

北摂の里山近くに住んでいます。里山をぶらぶら歩きながら撮った虫や鳥、花の写真を載せています。時には旅先で撮った写真も載せます。

沖縄・奄美

前日に引き続いて、4/16-18の間に奄美大島龍郷町のホテル周辺で見た蛾の記録です。昨年、同じ場所に行ったのは5月末だったので、野外やホテルの外壁、自動販売機のところなどで合計18種の蛾を見ることができました。今年は時期的にまだ早いのか、蛾の姿はほとんど見かけませんでした。その代わり、ホテル周辺では特徴的な蛾を見ることができました。

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この綺麗な虫はチョウではなくて蛾の仲間です。キオビエダシャクといいます。普通、蛾は夜間に行動しますが、この蛾は昼間飛び回ります。こういう昼飛性の蛾はたいてい綺麗な色をしています。この蛾はアゲハチョウなどと混じって、頭上高く飛んでいますが、チョウと比べると真っ直ぐ直線状に飛ぶのが特徴です。黒いチョウみたいなものがまっすぐ飛んでいるなと思ったら、たいがい、このキオビエダシャクです。キオビエダシャクはイヌマキという樹の大害虫として知られていて、次第に北方へ勢力を拡大しています。そのため、鹿児島市では警戒を呼びかけています。

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花の近くでホバリングをしながら、蜜を吸っています。やはり昼飛性の蛾です。翅が透明なので、オオスカシバという蛾かなと思ったのですが、胴体の色が全く違います。図鑑を調べてみると、リュウキュウオオスカシバという四国・九州南部、奄美、沖縄などに生息する蛾でした。

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ホテルの外壁に止まっていました。この時期、この蛾がもっとも多かったです。蛾に興味のある人なら一見すると、ヒトリガ科のコケガ(苔蛾)を連想するのですが、実は、ヤガ科のコヤガ(小夜蛾)の仲間です。ヒメゴマフコヤガといって、九州南部から奄美、沖縄に生息する南方系の蛾です。もともとの原産地はボルネオだそうで、この蛾はその亜種という位置づけになっています。

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やはりコヤガの仲間でアヤホソコヤガだと思います。ホテルの玄関の扉に止まっていました。小さい蛾で、日本全域で見られます。

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これも南方系の蛾です。ツトガ科のチャモンキイロノメイガといいます。屋久島以南に生息しています。自動販売機の上の天井に止まっていました。

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ホテル内の階段の壁に止まっていたのですが、ヤエヤマウスムラサキクチバかその仲間だと思われます。奄美には、ヤエヤマウスムラサキのほか、ウスムラサキ、ホソバウスムラサキ、マダラウスムラサキという似た種が4種も生息しているので、ちょっと見ただけでは区別がつきません。

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最後のこの蛾、シャクガ科のヒメシャクの仲間であることは間違いないのですが、どの種か特定ができませんでした。外横線が直線状だとか、黒点がはっきりしてその位置が特徴的だとか、いろいろと特徴があるので、もう少し調べてみることにします。

今週水曜日から金曜日にかけて、奄美大島の龍郷町で見たチョウの報告の続きです。

昨年、行ったのは梅雨入り後の5月末だったので、今年は1ヶ月以上も早い訪問です。全般にチョウの数は少なかったのですが、昨年見なかったセセリチョウの仲間をたくさん見ることができました。

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この派手なセセリは現地では一番たくさんいました。家に戻ってから調べてみると、オオシロモンセセリというようです。南西諸島に生息して、ゲットウを食草としています。

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朝顔の花の蜜を吸うのは大変みたいです。ほとんど体半分、中に入り込んでいます。

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このセセリはオキナワビロウドセセリのようです。3日間で2-3度見ました。数はそれほど多くはありません。

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そして、イチモンジセセリ。これも少なかったです。

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このセセリは初め何セセリか分かりませんでした。図鑑を読むと、チャバネセセリは白い点が消えることがあるとのことで、おそらくチャバネセセリだと思います。

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この写真のシジミは斑紋が普通と違っているように思ったのですが、図鑑には似た斑紋の種がないので、やはり、普通のヤマトシジミかなと思っています。シジミチョウはそのほかにも飛んでいたのですが、どれも止まらないので、ヤマトシジミだけになってしまいました。

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モンシロチョウみたいな白いチョウが飛んでいました。でも、飛翔力がかなり強く、速いスピードで飛んでいきます。何だろう、何だろうと思っていたら、やっと止まってくれました。こんな見たこともないようなシロチョウでした。図鑑で調べると、ウスキシロチョウというようです。とから列島から南で定着しているそうです。ほかにも、キチョウやツマベニチョウも飛んでいたのですが、いずれも止まってはくれませんでした。

アゲハはいろいろと飛んでいたのですが、昨年のようにハイビスカスに集まるアゲハはほとんどありませんでした。だから、撮影出来たのはほんのわずか。

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カラスアゲハは綺麗な色の翅を見せてくれました。

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ナガサキアゲハはちょっと破れた翅でした。

4月だったのでチョウの数は少なかったのですが、それでも合計15種類のチョウの写真が撮れました。

昨年の5月末に奄美大島に出かけたのですが、もうすでに梅雨に入っていて毎日が雨でした。そこで、今年は梅雨入り前にと思って、4月16-18日2泊の予定で奄美に行ってきました。場所は龍郷町の倉崎海岸にあるホテル周辺です。

昨年行った時は、レンタカーをしてあちこち回る予定だったのですが、雨だったので傘をさしてホテル周辺を散策しました。ところが、雨の中でも花は咲き、思いの外、チョウが飛び回り、まるで地上の楽園のようでした。そこで、今年はホテルから空港まで迎えに来てもらい、ホテル周辺だけを見ようと思ってやってきました。

着いた時は晴れていたのですが、ホテル周辺を見て愕然。チョウがほとんど飛んでいないのです。やはり早すぎたのだ。ちょっと後悔したのですが、花はいっぱい咲いているし、今年は花でも撮ろうと思って、撮り始めました。翌日はよく晴れて暑いくらいで、チョウもようやく飛び始めました。それでも5月末に比べると、まだまだ少ない感じです。

でも、こんな状態でも写真を撮っていたら、結局、チョウは15種、ほかにも、甲虫や蛾などをたくさん撮影することができました。おまけに、海は引き潮だったので海辺の生き物まで。充実した3日間になりました。

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今日は第1回として、3日間で撮影したチョウを紹介します。

まず、一番の収穫は撮りたいなと思っていたアカボシゴマダラが撮れたことでした。ゆったりと飛んでいるので、一瞬、アサギマダラかなと思っていたら、ちょっと先の木の上に止まりました。よく見るとアカボシゴマダラです。

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昨年は撮影できなかったチョウが2日目にして早々と撮影出来ました。さらに、夕方もう一度見ることができました。この時は、テングチョウに追っかけられていると思ったら、近くの茂みに止まりました。

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距離は近かったのですが、斜めになった葉に中途半端な状態で止まっていて、横からも撮れないので、後から撮ることになってしまいました。それでも撮影出来てよかったです。

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アサギマダラもときどき見かけました。なかなか止まってくれなかったのですが、ようやくセンダングサに止まってくれました。そのほか、リュウキュウアサギマダラも2-3度見かけたのですが、やはり止まってくれませんでした。

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数は少なかったですが、定番のイシガケチョウも飛んでいました。飛んでいるときはまるでシロチョウ科かなと思うくらい羽ばたくのですが、そのうち滑空し、突然、地面でも花でもぺたっと吸い付くように止まります。止まるときはたいていこの写真のように翅を広げています。

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でも、閉じている時も見かけました。

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おそらく、リュウキュウミスジだろうと思われるチョウはたくさんいました。コミスジとどう見分けるのか分かりませんが。

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アカタテハは私の住んでいる北摂のものと同じようでした。タテハではそのほか、ヒョウモン類もいたのですが、なかなか止まってくれず、写真は撮れませんでした。

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テングチョウはともかくたくさんいました。たいていはこんな破れた翅をしていましたが、

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中にはこんなに綺麗な個体もいました。たいてい、木の上の方でテリトリーでも張っているのか、近づいたアゲハチョウ類など大型のチョウを追い回していました。

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リュウキュウヒメジャノメはたくさんいました。北摂にいるヒメジャノメに比べると、裏面の白い帯がはっきりして太い感じです。

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翅を広げるとこんな感じです。

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後のチョウは第2回目に回します。

奄美シリーズの最終回です。本当は鳥を撮影に行ったので、これを真っ先に出さなければならなかったのですが、ずっと雨で、チョウや花ばかり撮影していて鳥はほとんど写しませんでした。

それでも、一応、ルリカケスは撮れました。

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ルリカケスは天然記念物になっているので、さぞかし、見るのが大変だろうと思っていたのですが、ここ、龍郷町ではまったくの普通種でした。林の中でギャァギャァと鳴く声は、決まってルリカケスでした。雨が降っているので、羽もぼさぼさ、色も良くないのですが、とりあえず撮影出来て良かったです。

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ヒヨドリもちょっと頬が色づいている感じがします。亜種のアマミヒヨドリだと思います。これも頭はぼさぼさです。

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雨の中で出てきたコゲラ。実は、アマミコゲラという亜種でした。もっと真剣に撮影すれば良かったと思っても、もう後の祭りです。

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最後は奄美空港の展望デッキで撮ったリュウキュウツバメです。

後は、蝶と蛾以外の虫の写真です。

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ホテルの玄関の天井に止まっていました。変わった模様の虫です。調べてみると、ヒラヤマメナガゾウムシという種類のようです。これも日本では、鹿児島県黒島以南で見られる種類でした。

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この虫はオキナワイチモンジハムシというようです。これも奄美以南に分布しています。

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ホテルの玄関に現れたこのバッタは、後ろに出ている尾肢の形から、南西諸島に生息するサキオレツユムシかなと思っています。

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最後の最後に、ベッドの枕の上を歩くクモ。これも、アマミ・・・かなと思ったのですが、これは普通のアダンソンハエトリのようです。

奄美大島龍郷町での観察の続きです。今回は花を取り上げました。滞在した3日間ずっと雨だったのですが、不思議とここでは花がいっぱい咲いています。その花に釣られて、雨にも拘わらずチョウが飛び回っていたのですね。

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ゲットウ(月桃)というショウガ科の植物です。もともと植えてあったものだと思うのですが、山道沿いにも生えていて、兎に角、目立ちます。写真は撮れなかったのですが、この花にツマベニチョウが止まっていました。

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コンロンカ(崑崙花)というアカネ科の植物です。これも植えてあったものと思われますが、やはり、山道沿いにも見られました。白く見えるのは花の萼片です。

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沖縄の県花デイゴ(梯梧)です。インドやマレー半島を原産とするマメ科の植物です。

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これは、アメリカデイゴ(亜米利加梯梧)といって、やはり、マメ科の木です。鹿児島県の県木になっているようです。

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イジュ(伊集)というツバキ科の花です。沖縄と奄美の固有種だそうです。

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それに、定番のハイビスカスです。この花が道に沿って植えられていて、それに、黒いアゲハ類が次々と吸蜜にやってきていました。

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この白い花はハイアワユキセンダングサというキク科の花です。熱帯アメリカ原産の帰化植物で、道端にほとんど途切れることなく咲いていました。この花にもリュウキュウアサギマダラやナミエシロチョウなどがやってきていました。

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ヒルガオ科のノアサガオです。東南アジアからオーストラリアに分布する帰化植物です。

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南米原産の帰化植物で、クマツヅラ科のチリメンナガボソウです。道端に咲いていました。

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これは、ブラジル原産のルリアザミ(ムラサキルーシャン)だと思います。やはり、道端に咲いていました。帰化植物図鑑によると、栽培種が野生化したそうです。

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これも栽培種みたいな感じですが、北米原産のオオキンケイギクだと思います。やはり栽培種が野生化したものです。

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これは、キク科のキダチハマグルマだと思います。海岸に咲いていました。

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こちらも海岸に咲いていたシマアザミです。

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海岸で見つけたセリ科の一つで、ボタンボウフウではないかと思います。ほかにもセリ科の花が2,3種咲いていたのですが、写真からは名前が分かりませんでした。

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葉が軍配のように切れ込みがあることから名付けられた、ヒルガオ科のグンバイヒルガオです。やはり海岸にありました。

どれも写真からだけの判定なので、間違っているものも多いかもしれません。あしからず。

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