里山日記

北摂の里山近くに住んでいます。里山をぶらぶら歩きながら撮った虫や鳥、花の写真を載せています。時には旅先で撮った写真も載せます。

2012年12月

気温3度。強い風が吹き、北摂では珍しい、12月の雪混じりの日でした。そんな中、カメラを持って歩いていると、強い風の中、クスノキの幹に必死につかまっている蛾の姿を見かけました。

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ツマグロエダシャクのメスです。お腹が大きく、食草がクスノキなので、きっとどこかに卵を産もうとして、必死につかまっているのでしょう。そういえば、先月も同じような光景を見ました。

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(2012.11.19 撮影)

このときは、クスノキの隣にある桜の木の幹でした。やはり強い風の中で、翅をばたつかせながらも必死につかまっている姿は印象的でした。ツマジロエダシャクというと、止まる姿が変わっていることでよく知られています。

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(2009.5.30 撮影)

この写真のように、前翅と後翅の間に隙間をあけた止まり方をします。

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風が止んだ時にふと見ると、今日は普通の止まり方をしていました。あれっ、こんな止まり方もするんだ。翅を離して止まるのはどんな意味があるのでしょうね。

兵庫県伊丹市にある昆陽池に行ってみました。今日は様子を見に行っただけだったのですが、ミコアイサが10羽もいたのでびっくりしました。伊丹市周辺には毎年ミコアイサがやってくるのですが、いつもいろいろな池に分散していて、あまりまとまっている姿を見たことがなかったからです。

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初めの方は遠くの方で、泳いでは潜ってというのを繰り返しながら池の端から端まで泳いでいましたが、やがて、近くに浮かんでいたキンクロハジロの群れの中まで入ってきました。

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オスはパンダみたいな顔をしていてとてもユーモラスです。

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後ろ姿もユーモラスですね。

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これはメスです。

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まだ、換羽の途中のようなのもいました。

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カイツブリもいっぱいました。子供なのかまだ小さい感じです。

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晴れてはいたのですが、気温は低く風が強かったために、すごく寒かったです。
お陰で1時間ほどいただけで、すっかり冷えて腰が痛くなってしまいました。
昆陽池にはほかに、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、オオバン、
ユリカモメ、アオサギ、コブハクチョウ、コクガン、カワウがいました。







鶴見緑地にある咲くやこの花館での花散策です。

鶴見緑地の中央第二駐車場に着いて、まず目に付いたのは巨大なコダチダリアでした。

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ゆうに3m以上はあるでしょうか。先日、宇治市植物公園で見たときには高さが2mほどだったので、その大きさにはびっくりしました。

温室に入ってみると、中は花であふれていましたが、一風変わった花が目に付きました。

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バナナを切ったような黄色い花がいくつも下がっていると思えば、枝先にはエンジ色の奇妙な形の花が付いています。名札には「サヨマニス」と書いてありました。

家に帰ってから調べてみると、黄色の花は雄花、エンジ色の花は雌花だということが分かりました。さらに、この植物は、南アジアでは古くから野菜として利用されていたそうです。そのためでしょうが、わが国だけでもいろいろな名前で呼ばれています。咲くやこの花館の「サヨマニス」という名前は少なく、むしろ「サユール・マニス」と呼ばれる方が多いようです。これはマレー語sayur manisの日本語読みで甘い野菜を意味するそうです。

日本ではアマメシバ(天芽芝)と呼ぶのが普通ですが、ルリダマノキと書かれることもあります。日本では健康野菜として、トロピカル・アスパラガスという名前で売られたり、粉末にしてレジーナスと呼ばれたり、天芽と呼ばれたり、まったく様々です。さらに、ボルネオのサバ州の野菜ということで、サバベジと呼ばれたり、katukとされたり、何がなんだか分かりません。ただし、トウダイグサ科の植物なので、健康障害を起こすという厚生労働省からのお知らせも出ていました。

次の植物も変わった花です。

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花が黄色なのかと思うと赤かったり、さっぱり訳の分からない植物です。名前はオクナ・セルラタといいます。

家で調べてみると、黄色の花がしぼむと萼(がく)が赤色に変化するとあります。萼で包まれた中に緑色の実がいくつもでき、やがてそれが黒色の変化するということです。黒色の実が2つ付いた姿がミッキーマウスの耳に似ていることから、ミッキーマウスの木とも呼ばれています。

確かに、この写真をみると、一番上の写真では赤い萼が黄色の花に食いついたようなものも見えます。すると、開いている赤い花のようなものは何なのでしょう。実が付かなかったものでしょうか。また、2番目の写真は、つぼみではなくて、花が咲いた後で実になっていく途中のものでしょうか。とにかく、謎だらけの植物です。

この後はいろいろな花の写真です。

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Barieria micansというキツネノマゴ科の植物です。
日本のキツネノマゴにちょっと咲き方が似ています。

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ボルネオソケイ(Jasminum multiflorum)というモクセイ科の植物です。
ジャスミンの仲間なので香りがあるそうです。

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ウスギコンロンカ(Mussaenda lutoora)とかハンカチの花とか呼ばれるアカネ科の植物です。
白い葉のようなものは、萼片の一枚が伸びたものだそうです。

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これも奇妙な花です。Aristolochia tricaudataという花だそうですが、
ウマノスズクサ科だと聞くと、納得いくような感じです。

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おなじみのクロユリです。日本にある植物を見ると何かほっとしますね。

まだまだ面白い花があるのですが、どれもこれも奇妙な花で、その後の変化も見ようと思えば、
これから何度も温室に足を運ばないといけないですね。








昨日、大阪市の鶴見緑地にある「咲くやこの花館」に行ってきました。ここは、EXPO'90「国際花と緑の博覧会」で大阪市のパビリオンとして建設されたものです。昨日はカレンダーが貰えるというを聞いて、つられて行ってみました。

12月とはいえ、温室の中は花だらけで何を見たらよいのかよく分からなかったので、とりあえずいろいろと見て回りました。ハイビスカスワールドというのがあり、いろいろな種類のハイビスカスが集められていました。ハイビスカスというと一種類のように思っていたのですが、ずいぶん種類があるものです。

片端から写真を撮っていたのですが、そのうち学名にHibiscus cv. 〇〇というものが多いのに気がつきました。おそらく園芸種かなと思って、原種を探して撮影することにしました。家に帰ってから調べてみると、確かに、cv.はcultivarの略で園芸品種を指すことが分かりました。ハイビスカスの原種5種の写真です。

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ヒビスクス・コキオ Hibiscus kokio

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ヒビスクス・リリフロルス Hibiscus liliflorus

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ヒビスクス・ワイメアエ Hibiscus waimeae

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ヒビスクス・アーノッティアヌス Hibiscus arnottianus

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ヒビスクス・コルムナリス Hibiscus columnaris

ハイビスカスの雌しべと雄しべは変わっていますね。花から長く突き出したような形をしています。しかも、雌しべと雄しべは合体したような形になっています。中心にあって先端が5つに分かれているのが雌しべで、根元側にあるのが雄しべです。家に帰ってから育てているハイビスカスの拡大写真を撮ってみました。

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幻想的な写真ですが、5つに分岐した毛だらけのものが雌しべの先端、黄色い花粉が付いているのが雄しべです。詳しく見ると、雄しべは雌しべの花柱に鞘のようになったものから突き出ていることが分かります。鞘の端はめくれたようになっています。その部分を矢印で示しました。

温室で観察していると、この細い雄蕊1本にアブがしきりにつかまろうとしていました。

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クロヒラタアブです。しばらくつかまった後、また、すぐに別の雄しべに移動してつかまろうとしていました。ハイビスカスの蜜腺は花の根元にあるので、こんなところには蜜などないのにと不思議に思って家に帰りました。帰ってから調べてみると、福寿草の花でアブが花粉を集めるという話が載っていました。福寿草はもともと蜜を持っていないのですが、寒い季節、アブは栄養源になる花粉を集めるために集まります。福寿草の方は、そのお返しにおわん形の花びらが反射鏡の役目をして、アブを温めてあげるというものです。ひょっとしたら、このアブはハイビスカスの花粉を集めていたのかもしれません。

ついでに、ハイビスカスは花以外にも蜜の出す部分があると書いてありました。葉の根元です。家で顕微鏡で調べてみると確かに葉の根元に水滴のような蜜がいっぱいついていました。

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写真では分かりにくいのですが、葉の裏側の根元の赤い部分できらきらと光っているのが蜜です。このように花以外で蜜を出す蜜腺は花外蜜腺というようです。身近なものでは、桜の葉の根元に蜜腺2つがついています。熱帯の植物では、数十%の花が花外蜜腺を持っていて、その蜜を求めてアリが集まってくるそうです。

ハイビスカスというとハワイを思い出すのですが、ハワイの植物で花外蜜腺をもつ植物はハイビスカスを含めても0.8%で、極端に少ないそうです。この理由としては、ハワイの島々に人が住む前にはアリがいなかったために、退化していったものだと考えられているそうです。





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