里山日記

北摂の里山近くに住んでいます。里山をぶらぶら歩きながら撮った虫や鳥、花の写真を載せています。時には旅先で撮った写真も載せます。

2015年05月

5月28日、2回めの松尾湿原へ行った時の写真です。植物はこの間出したので、残りのトンボが中心です。松尾湿原は宝塚市の宝塚自然の家の敷地内にある箱庭のような小さな湿原です。でも、ここにはハッチョウトンボが飛び回り、花は咲き、まるで、虫と花の楽園のような感じがします。なによりも湿原との距離が近いのが魅力です。

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

ハッチョウトンボは大きさがわずか2cmの日本で一番小さなトンボです。2日前に行った時、大量に写真を撮ったのですが、また、撮ってしまいました。上の2枚が成熟した♂、下の2枚が未成熟の♂のようです。雰囲気として、水が薄く張った湿地帯には成熟した♂が多く、その周辺で斜面になった草地には未成熟の♂が多いような感じでした。

イメージ 5

イメージ 6

こちらは♀ですが、♀はさらに離れた草地にいることが多かったです。

イメージ 7

イメージ 8

そのハッチョウトンボのちょっと上を旋回するヤンマガいました。何とか撮りたいと思って、シャッター優先でシャッター速度を1/1000秒にして、焦点位置を固定して、そこを通るのを待ち構えていたのですが、撮れたのはこんな程度でした。もう少し鮮明に撮れるとよかったのですが・・・。飛んでいたのはクロスジギンヤンマだったようです。

イメージ 9

その他、ハラビロトンボもいました。

写真を撮っていると、隣で撮影されていた方が蛇がいると言われたので、その方角を見てみると、

イメージ 10

こんなシマヘビがいました。長さは1mくらいでしょうか。湿原の中を這って、カエルを狙っているようでした。カエルが2匹、驚くほど速いスピードで湿原から飛び出してきました。結局、カエルを捕まえることができずに、草地の方に去ってしまいました。

イメージ 11

イメージ 12

最後に駐車場脇の水場にいたトンボです。これはヤマサナエだろうと思います。背景は違いますが、同じ個体です。

イメージ 13

イメージ 14

そしてシオカラトンボです。湿原の辺りにはサナエトンボもいろいろといそうだったのですが、残念ながら撮影できませんでした。今度、ササユリの花を見に行く時にでも、もう一度チャレンジします。

松尾湿原は宝塚市の天然記念物に指定されている湿原です。面積はわずか261平米ほどの小さな湿原ですが、先日行ったときにはハッチョウトンボが飛び回り、虫や花の楽園のようでした。前回は虫を紹介したので、今回は湿原とその周辺の植物を紹介します。実は5月26日と28日の2回も行ったので、合わせて報告します。

イメージ 1

最初に湿原に行った時に不思議に思ったのはこの植物です。これは上から写したものですが、全体はこんな感じです。

イメージ 2

この写真は高さがまだ低い方ですが、高さ30cmほどになったものも湿原とその周辺にたくさん生えていました。根元にはユリ科のような葉が生えています。花のようでもあり、そうでもないようでもあり、写すだけ写して家で調べてみました。そうしたら、これはショウジョウバカマの花の後で、中心にある6つのものは種が弾けた後でした。山渓の「山に咲く花」や平凡社の「日本の野生植物」によると、ショウジョウバカマの花びらは花後も緑になって残り、蒴果が熟す頃には花茎が50-60cmにも伸びるそうです。花びらのように見えた周りの6枚が実は花びらそのものだったのですね。確かに雄しべも見えています。

「山に咲く花」にはさらに面白い話も載っていました。ショウジョウバカマは花が開く前に雌しべだけがつきだした雌性期という状態を経た後、花が咲いて雄しべが伸びた雄性期になるそうです。このように雌しべと雄しべの成育時期がずれるのを雌雄異熟といって、植物の世界ではよくある現象のようです。雌雄異熟させることで自家受粉を抑制させる仕組みになっているみたいです。実際には、ショウジョウバカマでは種からの発芽率はかなり低く、特に、低湿地においては葉の先端から芽がでるという栄養生殖の方が繁殖には有効のようです (S. Kawano et al., Plant Species Biology 22, 231 (2007))。

こんな面白い研究もありました。ショウジョウバカマの種子のDNAから自家受粉率を求めて、花の開花時期との関係を調べてみたという研究です。この結果、遅咲きほど自家受粉率が低下するという結果になりました。著者らは雌雄異熟のせいというより、花粉を媒介する昆虫が時期によりハエからハチに変わっていくことが関係していると考えています。というのは、ハエは花に滞在する時間が長いので、自家受粉率が高くなるからということのようです(S. Morinaga et al., Am. J. Bot. 90, 1153 (2003))。何だろうと思って調べ始めたのですが、いろいろと面白い話があるのですね。

イメージ 3

2回めに行った時にはボランティアの方が来られていて、いろいろと教えていただきました。湿地をよく見ると、モウセンゴケがいっぱいでした。それを見つけて喜んでいたら、花が一輪だけ咲いているというのでその場所も教えていただきました。

イメージ 4

ひょろっと伸びた花茎の先に白い花がついています。

イメージ 5

撮影はちょっと後ろ向けになってしまいましたが・・・。もう少し経つとあちこちで咲き始めるかもしれませんね。

イメージ 6

ササユリも2,3日後には咲き始めるそうです。

後は、松尾湿原のある宝塚自然の家の施設内で見つけた花です。

イメージ 7

ニワゼキショウはたくさん生えているのですが、やけに背の高い花が群がって生えていました。別種だなと思って調べてみると、「日本帰化植物写真図鑑」にはオオニワゼキショウという北米原産の帰化植物が載っていました。きっとこれでしょう。

イメージ 8

イメージ 9

葉がショウジョウバカマのような、こんな草がいっぱい生えていました。皆、花芽を伸ばしています。初め、ショウジョウバカマかシライトソウかなと思ったのですが、たぶん、ノギランではないかと思います。もう少ししたら確かめに行きたいなと思っています。

後は植栽の花です。

イメージ 10

これは何かなと思って写しのですが、図鑑で調べてガンピかなと思いました。

イメージ 11

これはナツハゼかな。植栽の花は難しいですね。

イメージ 12

これはヤマボウシですね。

イメージ 13

今はどこに行ってもウツギが満開です。

イメージ 14

それにスイカズラですね。

5月26日に宝塚市にある松尾湿原に行ってきました。先日、丸山湿原に行ってほとんど何も見つからなかったので、今回もあまり期待しなかったのですが、予想もしなかったハッチョウトンボに出会えました。

松尾湿原は「北摂里山博物館」というパンフレットで見つけました。「北摂里山博物館」というのは北摂の里山地域一帯を整備し、「地域まるごとミュージアム」として環境学習や野外活動に利用してもらおうと、兵庫県が始めた取り組みです。現在は妙見山や有馬富士など30箇所が指定されています。松尾湿原は丸山湿原のすぐ北側にあり、宝塚自然の家の近くにあります。今回は、近くで駐車場のある場所というので探しました。

イメージ 2

これは入り口です。正面の建物は「宝塚市立宝塚自然の家」です。以前は、「宝塚市立少年自然の家」として、宿泊もできる施設だったのですが、最近はバーベキューやアスレチックなどの野外活動ができる日帰り施設になっています。施設内部の地図をもらうために中に入ったら、「今、松尾湿原でハッチョウトンボが見えますからぜひ行ってください。」と勧められました。もともと湿原にいくつもりだったのですが、ハッチョウトンボと聞いてわくわくし始めました。というのも、もう20年ほど前に六甲山で一度見たきりだったからです。でも、どうせ数匹程度だろうから、探すのは大変だろうなと思いながら坂を登って行きました。

湿原についたら先客2名を除いてだれもいません。静かなところでした。

イメージ 3

湿原はこんな感じの狭い場所でした。先客の若い女性たちがハッチョウトンボがどうのこうのと言っているので、何の気なしに湿原を覗いてみました。

イメージ 1

するとそこに真っ赤なハッチョウトンボがいました。本当に目の前で、触ろうと思えば触れるくらいの距離です。見渡すとここかしこに赤いトンボがいます。日本で一番小さなトンボといいますが、本当に小さいですね。大きさは2cmほどしかありません。夢中で写真を撮ってしまいました。

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

見渡すと数十匹はいるでしょうか。こんな身近なところでハッチョウトンボが見れるなんて!この赤いトンボは♂の方で、♀はいったいどこにいるのだろうと、湿原の横の道を上に向かって登って行きました。

イメージ 7

イメージ 8

湿地の横の草むらにこんな茶色のトンボが止まっていました。その先客のお二人に♀がここにいますよと言ってしまったのですが、後から見ると、これは未成熟の♂ですね。♀はもっと離れた草むらにいました。

イメージ 9

イメージ 10

こちらが♀の方ですね。

イメージ 11

湿原の上に出てみました。こんな草地になっています。下の方を見ると、

イメージ 12

こんな感じです。ネットで調べてみると、ここのハッチョウトンボは2012年に22匹確認されたのですが、実に36年ぶりの発見だったようです。その後、環境ボランティアの方の地道な保全活動でここまで増えてきたようです。実に素晴らしいことですね。

ついでに周りにいる虫や花も撮影してみました。花の方は次回に回し、まず、虫の方からです。

イメージ 13

湿原の上部を旋回しているトンボがいました。例によって、何とか撮ろうと頑張ったのですが、これが精一杯でした。顔面に黄色の筋が一筋あるので、コヤマトンボかなと思います。

イメージ 14

こちらはオグマサナエです。サナエトンボは探せばまだまだいそうでした。

イメージ 15

それからシオカラトンボです。

湿原の近くの草むらにはいろいろな虫がいます。

イメージ 16

イメージ 17

小さなカメムシですが、ヒメナガカメムシですね。ハルジョオンだかヒメジョオンだかの花にいました。

イメージ 18

それにヒラタアブの仲間。

イメージ 19

キマダラセセリがノアザミに止まっていました。

イメージ 20

これはシロアヤヒメノメイガです。

イメージ 21

それに、たぶん、シロフクロトリバかなと思われる蛾です。

イメージ 22

ついでにゴミグモも写してしまいました。

丸山湿原は規模は大きいのですが、柵から湿原まで5mほどあって、近くではまったく見れないのに対して、松尾湿原は規模は小さいのですが、手の届くようなすぐ近くで見れるので、親しみが湧きます。こんな湿原がずっと残っていくとよいですね。

昨日の続きですが、兵庫県宝塚市にある丸山湿原に行った時に撮影した花を紹介します。慌てて撮影したせいか、写真がどれもいまいちなので、ちょっとお恥ずかしいのですけど・・・。

イメージ 1

湿原に行く途中で見つけた花です。こんな白い花がポツッと道端に咲いていました。ユリ科のシライトソウですね。私の家近くでは見たことがありません。たいへん清楚な感じですね。

イメージ 2

イメージ 3

畑の横に黄色い花がたくさん咲いていました。上がコウゾリナ、下がニガナですね。虫の撮影だったので、こんな花が咲いていると、花の中に虫がいないか探し回りました。

イメージ 4

イメージ 5

林の中にはこんな花も咲いていました。パッと見てウツギという名前を思い出したのですが、いつも見ている白いウツギとはだいぶ違います。家に戻ってから調べてみると、白い花のウツギはユキノシタ科、この手のウツギはスイカズラ科のようです。図鑑には分布が日本海側と書かれているのですが、写真を比較するとタニウツギに似ている感じです。

イメージ 6

こちらもスイカズラ科のツクバネウツギです。ウツギと名のつく花は多いですね。

イメージ 7

湿原近くの森の中に入ってまず気がついたのはこのギンリョウソウでした。周りを探したのですが、これしか見つからなかったのでもう終わりなのでしょうね。

イメージ 8

ホウチャクソウも咲いていました。地味ですが、やはり清楚な感じがしますね。昔、山菜摘みをしていたときに、毒があるからアマドコロなどと間違わないようにと言われていたことを思い出しました。

イメージ 9

最後は立派なシシガシラです。

で、肝心の湿原にはおよそ花と名のつく花は咲いていませんでした。もう少し時期をずらして行ってみようと思います。

丸山湿原は宝塚市にある湿原です。昨年秋にも行ったのですが、最近はどうかなと思って行ってみました。目的は昆虫の撮影だったのですが、当の湿原にはほとんど何も見つからず、その行き帰りの道で見た昆虫ばかりです。実は、写真がうまく撮れなかったので、ボツにしようかと思っていたのですが、一応、記録だと思って出しておきます。

イメージ 1

まずはチョウです。日陰で黒いチョウが飛んできたと思ったら、さっと目の前に止まりました。たぶん、ジャコウアゲハでしょうね。

イメージ 2

ジャコウアゲハは草原でも見つかりました。飛んだり止まったり、ひとところで飛び回っていたので、食草を探していたのかもしれません。

イメージ 3

これはコミスジですね。

イメージ 4

ベニシジミ。

イメージ 5

コチャバネセセリ。

イメージ 6

ヒメウラナミジャノメ。

イメージ 7

それにクロヒカゲ。チョウも頑張って写そうと思ったのですが、これが精一杯でした。

イメージ 8

次はトンボです。道路上を旋回していました。たぶん、サラサヤンマですね。何とか飛んでいるところを写そうと思って100枚ほど撮ったのですが、これがやっとでした。

イメージ 9

後ろ向けならピントがあったのですけどね。

イメージ 10

途中の池にいました。たぶん、タベサナエですね。もっと近づいて撮ろうとしたらさっと逃げてしまいました。

イメージ 11

シオヤトンボのカップルです。

イメージ 12

イメージ 13

翅の透明なカワトンボはよく分かりません。上は♂、下は♀ですね。

イメージ 14

次は蛾です。これはキンモンガですね。あちこちで飛んでいました。

イメージ 15

ちょっと写真が失敗でした。たぶん、ナミホソハマキモドキですね。

イメージ 16

イメージ 17

毛虫もちょっと。上はキアシドクガ、下はタケカレハかなと思います。

イメージ 18

図鑑で調べてみると、これはコムライシアブかなと思います。

イメージ 19

後は甲虫です。これはアオハナムグリだろうと思います。色が綺麗ですね。

イメージ 20

ハムシの仲間だけど、名前が分かりません。

イメージ 21

ジョウカイボンの仲間ですね。死んだ個体と交尾していているのでしょうか。

↑このページのトップヘ