里山日記

北摂の里山近くに住んでいます。里山をぶらぶら歩きながら撮った虫や鳥、花の写真を載せています。時には旅先で撮った写真も載せます。

2015年03月

いつものように川の土手にある石垣でアリの巣を眺めていました。普段、歩いているとちっとも気が付かないのですが、一旦しゃがんでみるといろいろな虫が見えてきます。

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これはヨツボシホソアリモドキという小さい甲虫です。その名の通り、パッと見ると小さなアリのような感じです。

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カメムシの仲間もいます。これはキバネアシブトマキバサシガメです。石垣に登ったり、地面に降りて枯れ葉の中に潜ったり忙しそうにしています。

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これはアムールシロヘリナガカメムシです。似た種が多いので、「日本原色カメムシ図鑑第3巻」の検索表で調べてみました。間違いなさそうです。

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こちらはヒメナガカメムシという小さなカメムシです。

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小さなヒシバッタもいました。

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そして、これはナナホシテントウの卵かな。

もちろん、アリの巣の周りにはクモもいます。

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これはシラホシコゲチャハエトリという小さなハエトリグモです。上が♂、下が♀。何を狙っているのでしょう。

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これはアオオビハエトリです。このクモは明らかにアリを狙って、巣の周りをうろうろしています。

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そして、これはマミジロハエトリです。やはりアリでも狙っているのでしょうか。じっとしていました。

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アリの巣のそばにはアリグモもいました。アリに似せて天敵から身を守っていると言われています。

ところで、アリグモはそれほど安全でもなさそうです。

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肝心のアリに捕まってしまいました。近くに巣のあるクロオオアリですね。

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獲物をぐっとくわえたまま、かなりの距離を運んでいきます。

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途中で別のアリが近づいてきました。獲物を奪い取るためか、手助けをするためか。でも、何事もなく引き上げていきました。右下にはそのアリを狙うアオオビハエトリの姿がちらっと見えますね。でも、無事に獲物を巣穴まで運び入れました。

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クモ側も負けてはいません。今度はアオオビハエトリが小さなアリを捕まえました。たぶん、トビイロシワアリですね。こちらはどこか静かなところでゆっくり味わうのか、少しずつ移動していきました。

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別のアオオビハエトリは毛虫を捕まえたようです。わずか1-2mの幅の石垣なのですが、いろいろなドラマが見られるでしょう。ついつい長居をしてしまいます。

家の近くに小さな川が流れているのですが、その土手の上にコンクリートの石垣があります。ここにはアリの巣があちこちにあって、アリが忙しそうに行き来しています。この石垣を見ていると、いろいろな虫が現れます。それが楽しみで、その横に座ってずっと眺めているのが私の散策の日課になっています。

この石垣のところに先週の金曜日と今週の木曜日に行ってみました。その時に見た虫を紹介します。

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これはクロオオアリの巣ですが、先週金曜日に見た時は、ご覧のように自分の顔より大きな土の塊を次から次へと巣穴から運び出していました。春になったので巣穴の整備なのかもしれません。

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お陰で、巣の外にはこんなにたくさんの土の塊が放り出されていました。昨日は午後から行ってみたのですが、もうこの辺は静かになっていました。巣の整備も終わったのでしょうね。

この巣の近くにはいろいろな生き物がうろうろしています。

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まずはこのシラホシコゲチャハエトリという小さなハエトリグモです。ちょこちょこと動く姿をよく見かけますが、獲物を捕まえている姿はまったく見かけません。

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こちらはヤサアリグモという、やはりハエトリグモの仲間です。アリにそっくりなので、アリの巣の近くをうろうろすることによって身を守っているのでしょうね。

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こちらはアリグモです。先ほどのクモとは腹の部分の色がちょっと違いますね。これもアリの巣の近くにいました。

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これはアオオビハエトリです。このクモはアリの側にいて、機会があればアリを捕まえようと狙っています。でも、臆病なので、アリがやってくると一目散に逃げます。そして、アリが後ろを向けた途端、それを狙おうと近づきます。でも、めったに捕まえることができません。アリの巣の周りには大小何匹もいて、一日中、巣の周りでうろうろしています。

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クロオオアリの近くにはもっとずっと小さなアリも活動しています。これはトビイロシワアリだと思いますが、草の実をもってウロウロしていました。

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そして、その近くにはこんな変わった虫も。一見、翅がないような感じですが、前翅は赤い点のある部分で、後翅はその中に入れられています。これはハネカクシという甲虫の仲間で、たぶん、ホソフタホシメダカハネカクシという名前だと思います。これもこの石垣のあちこちでウロウロとしていました。いったい何をしているのでしょうね。

しばらくぶりになります。この間、ぼつぼつと家の周りを歩いていたのですが、あまりめぼしいものがないので、ずっとブログはお休みになっていました。昨日ちょっと歩いてみたのですが、その時に見た植物を紹介します。虫はまた後から出します。

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桜はもう少しという状況ですね。あと1週間ほどで満開になるのではないかなと思っています。

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道端にスミレが咲いていました。スミレにはあまり詳しくないのですが、触ってみると葉がふわふわっとした感じです。毛が生えているようなので、ノジスミレかなと思います。(一秋さんから、「確かにノジスミレみたいですね。」というコメントをいただきました。どうも有難うございました)

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いつもの用水路の横の道を歩いていると、ハナニラがいっぱい咲いていました。どこからか逃げ出してきたのでしょう。

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水辺にはキケマンも咲いていました。清楚な感じですね。

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これは山際の用水路脇で咲いていました。調べたのですが、名前は分かりませんでした。(一秋さんから、ヤマアイだと教えていただきました。どうも有難うございました。)

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畑ではミモザが満開になっています。これだけ花が固まって咲いていると、見事ですね。

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土手のツクシはこんな感じです。すっかり伸びきっていました。去年はごっそり取っていった人がいたのですが、今年はまだいっぱい残っていました。

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河原でクサソテツが生えるところがあるのですが、行ってみると、ちょうど芽が出始めたところでした。これもシーズンになるとコゴミを取りにくる人がいます。去年は台風の大雨で河原がすっかり水浸しになり、土手も少し崩れたりしていたのですが、春になるとちゃんと生えてきますね。

先日、里山を散策したついでに、コケの勉強をしてみようと思って、コケを2種採取してきました。今日はそれを顕微鏡で観察してみました。

採取したコケは、コスギゴケとタマゴケだと思われるコケです。本当はもっといろいろな種類のコケを調べたかったのですが、名前がさっぱり分からなくて・・・。そこで、名前の分かるコケを1つずつ調べていこうかなと思っています。

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まず、コスギゴケの方からです。野外で写した写真を載せます。

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このコケは葉が厚くて不透明なので比較的よく分かります。

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こちらは帽をかぶっている蒴(さく)です。

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一方、これは帽が取れた蒴です。

まず実体顕微鏡で葉を観察してみます。

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葉はこんな細長い形をしています。葉の中心を走っている部分を中肋といいます。葉の緑色の部分が葉身、下の透明な部分が鞘部です。葉身は不透明です。葉身の両側には鋸歯があります。もう少し拡大してみます。

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両側の鋸歯の他に中肋の上にも黒い棘があるのが分かります。生物顕微鏡を使ってさらに先端を拡大してみます。

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コントラストを上げるために暗視野照明にしてみました。葉身の両側にある鋸歯と中央の棘がよく見えるようになりました。コスギゴケの葉身がなぜ不透明なのかというと、葉の表面に薄板と呼ばれる筋がいっぱいあるからです。そこで、葉の断面を見てみようと思って、カミソリで切って切片を作ってみました。

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切片がなかなかうまく切れなくて、これはだいぶ厚いのですが、それでも緑色の薄板が葉の表面全面を覆っていることが分かります。もう少し薄い切片が切れないかと思って、何枚か切ってやっと薄い切片が作れました。

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これだと細胞が何列か並んで薄板を作っている様子がよく分かります。もう少し拡大してみます。

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緑色の薄板がぎっしり並んでいることが分かりますね。このために不透明だったのです。それにしても切片を作るのは難しいですね。もう少し練習しないと・・・。

追加です。この薄板はカミソリで葉の表面をそぐようにこすると簡単に取れてしまうことが分かりました。そうやって得た薄板を顕微鏡で見たものです。

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写真の一番下の列には透明な細胞が並んでおり、その上に緑色の細胞が積み重なっています。緑色の細胞は多いもので4段、少ないもので3段並んでいました。葉の断面の写真と比べると、透明な細胞の列が薄板の先端の列に相当するようです。

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次は蒴の拡大写真です。この中に胞子がいっぱい詰まっているのですね。

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これは入り口をさらに拡大したものです。周辺で繰り返したように見えるのが蒴歯みたいです。本には、蒴歯はU字型で、全部で32本あると書いてありました。ちょっとはっきりしないのですが、数えてみると30そこそこはあるみたいです。

次はタマゴケを調べてみます。

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胞子体は緑色と茶色のものがありました。茶色のものは成熟したものなのでしょうか。表面に筋がみえますね。

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これは葉ですが、全体に細長く、さらに、先端が極めて細くなって尖っています。コスギゴケに比べると色はだいぶ薄いです。

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これは胞子体です。完全に丸いのではなくて、口の部分が少し尖っていますね。

さらに顕微鏡で見てみます。

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葉を1枚取ろうとピンセットで引っ張ると決まって葉身部分だけが取れて、下の鞘部が茎に残ってしまいます。そこで、鞘部を引っ張って剥がしました。でも、細長いので、何度やっても上の写真のようにねじれてしまいました。でも、仕方がないので、このまま拡大してみます。

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これは中間部分の暗視野照明写真です。細胞の列が並んでいること、小さな鋸歯があることが見えます。葉の縁と中肋の部分がちょっと厚い感じです。

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これは葉の先端です。鋭い鋸歯があり、まるで銛の先端のようです。

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最後は蒴を実体顕微鏡で写したものです。タマといってもちょっといびつな形ですね。何となく内部につぶつぶがいっぱい詰まっているような感じです。

追加です。「原色日本蘚苔類図鑑」(保育社)のタマゴケ科の検索表でタマゴケ属に至る項目には、「葉細胞には1個の乳頭があるか、または泡状に盛り上がる」とあります。そこで、少し乾燥した状態で、葉の基部を斜めにして40倍の対物で焦点の位置を変えながら撮影し、深度合成の方法で画像の合成してみました。

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細胞ごとに瘤のように膨らんでいる部分が見えるようになりました。これが乳頭といわれる部分ではないかと思います。これがあると、タマゴケ属、ナガクビサワゴケ属、サワゴケ属ということになり、タマゴケ属には「葉の基部が鞘状で茎を抱く」を調べればよいことになります。これはまた後で。

こうやってコケを少しずつ調べてみようかなと思っています。

昨日はちょっと暖かくなったので、家の近くを散歩してみました。最近は寒い日が多かったので、久しぶりの感じです。歩き出してすぐにいつものイソヒヨドリが出てきました。

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家から出てすぐのところにいつもいるので、最近はやぁと声をかけることにしています。当のイソヒヨドリもちらっとこちらを見ました。

近くの藪でごそごそという音がしました。藪を透かして見てみると、

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ぱっと目が合いました。シカが2匹ほどウロウロしていたようですが、私が近づいたので様子を見ていたようです。

この後は、山の麓に広がる畑の中を歩いてみました。最近はこの辺りのシダはみな見てしまったので、これからはコケでも調べようかと思っていました。コケは昔ちょっとかじったことがあって、家にも標本が一箱置いてあるので、なんとかなるかなと思ったのですが、図鑑を見ても、何を調べて良いのやらまったく思い出せません。そこで、よく見知ったコケから調べてみようと思って、探すことにしました。

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最初に出会ったコケはこれです。胞子体が丸いので、たぶんタマゴケですね。

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次はこのコケです。葉が厚い感じなので、たぶんコスギゴケでしょうね。この2種を採取してきて、家で顕微鏡で調べてみることにしました。顕微鏡写真も撮ったのですが、結果は次回に回すことにします。

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歩いていたら、こんな花も見つけました。おそらくヤマネコノメソウだと思うのですが、茎葉が互生というのを確認しませんでした。今度もう一度行って見てきます。

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民家の横の水路にはフキノトウが伸びきって花が咲いていました。もうこんなに大きくなっているのですね。

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歩いていると、チョウがさかんに飛び上がりました。越冬していたテングチョウですね。暖かかったので、寝てはいられないのでしょうね。

というので散策は終わったのですが、2月20日に行った時の写真を出すのを忘れていました。ちょっと前になるのですが、ついでに出しておきます。この時はまだ寒かったのですが、山道で鳥の群れがギャーギャーうるさく鳴いていました。

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カケスです。最近あまり見ないので、これはシメたと思ったのですが、藪の中や木の枝に止まっていてなかなか姿を現してはくれませんでした。結局、撮れたのはこの3枚くらいかなというところでした。

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山道で、この間から探していたヒカゲノカズラがやっと見つかったのですが、誰かが抜いてしまったもののようでした。きっとこの近くにあったのでしょうね。探してみたのですが、見つかりませんでした。

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