里山日記

北摂の里山近くに住んでいます。里山をぶらぶら歩きながら撮った虫や鳥、花の写真を載せています。時には旅先で撮った写真も載せます。

2014年11月

11月も終わりになってきましたね。最近、あまり外へ出かけてなかったので、一昨日、家の周りをぶらぶらと歩いてみました。さすがにもう虫はほとんどいません。何も写真を撮らずに歩いていたら、突然、目の前にジョウビタキが止まりました。

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これは撮らなくちゃと思って、慌ててカメラを出して撮影しました。ちょっとこちらのことを気にしているみたいですが、それでもじっとしていてくれました。

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カメラを手にした途端、急に周りのものが見えてきますね。クコの実に光が当たって赤く輝いています。見渡すと赤い実がいっぱいなっています。

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今頃、ひらひら飛ぶのは何だろうと思って追いかけて行くと、クロスジフユエダシャクでした。やっぱりフユシャクですね、元気そうに飛んでいます。

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周りは紅葉で大変綺麗でした。

ミセバヤというベンケイソウ科の花があります。

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先日、大阪府立花の文化園で見てきました。もう少し華やかな花らしいのですが、ともかくこんな花です。

この花の名前が面白いので、その由来を調べようと思ってネットで探すと、Wikipediaを初めてとして、決まって

高野山の僧がこの花を見つけ、和歌の師匠である冷泉為久卿に送り、・・・」

という説明がなされているのですが、どこにもその出典が書かれていません。
さらに探すと、筑波実験植物園の説明には、

18世紀末に出版された柳原紀光の「閑窓自語」によると吉野山の法師が奥山で見つけて和歌の師匠に贈ったがその添えた詞の「君にみせばや(誰に見せようかという意)」から命名。

となっていて、柳原紀光の「閑窓自語」に書かれていることが分かりました。どうやら、江戸時代の公卿の柳原紀光(1746-1800)の随筆のようです。そこで、「閑窓自語」がどこかに載っていないか探してみました。その結果、「日本随筆大成第二期8」(吉川弘文館、1974)という本に載っていることが分かりました。今日、大学の図書館でその本を見てきました。内容は以下の通りです。

六八 見せはやといふ草名語
故民部卿入道為村卿かたられしは、今世にみせはやといへるくさ[鎮火の種]をうへもてあそふ。これはかの卿の父大納言為久卿の和哥の門弟に、吉野山の法師にてあなるか、奥山にて見侍りしくさとて、和哥をそへて贈りし。そのうたの句に、君にみせばやとの詞あり。これによりて、見せはやとなつけをくよし、為久卿の返事ありしを、たしかにみられけるとなむ。


民部卿入道為村卿は冷泉為村(1712-1774)のことで、その人から聞いた話として、父親である冷泉為久(1686-1741)の和歌の門弟で、吉野山の法師でしょうか、奥山で見た草を和歌を添えて為久に送ったということです。そのときに、その句に「君に見せばや」という詞があったので、見せばやと名をつけておいたという為久からの返事があったのを確かに見たという内容でした。

高野山ではなく、吉野山だったのですね。鎮火の種は別名なのでしょうか。

この時期、虫はほとんどいないだろうなとは思っていたのですが、昨日は良い天気だったので、家の近くを歩いてみました。この日は山道の方角です。虫はそこそこ、花はちょっと、実はいろいろという結果でした。

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今頃は花をのぞいていくと、虫が見つかることがあります。これはアイノコセンダングサかな。虫はいつものウスモンミドリカスミカメのようです。

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花の中に潜り込んでいる虫もいます。

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しばらく見ているとこんなアリが顔を出してきました。今度名前を調べてみます。

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別の花には別の種類のアリがいました。やはり頭を突っ込んでいます。蜜を探しているのでしょうね。(このアリは体長2mmほどでルリアリではないかと思われます)

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ハエもいたのですが、写真はやめといて、こんな蛾がいました。秋の蛾のニトベエダシャクです。

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ミゾソバのつぼみがありました。これからでも咲くつもりなのでしょうか。

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そして、これはクコの花です。そのすぐそばには、

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赤い実がいっぱいついていました。

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これはマユミでしょうね。

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サネカズラの実はまだ色づいていませんでした。

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その代わり、カラスウリの赤い実がいっぱいついていました。

今頃はやはり虫よりも実の方が面白いですね。

大阪府立花の文化園は河内長野にある植物園です。昨日は良い天気で、その天気に釣られて、車で1時間半ほどの距離にある花の文化園に行ってみました。この間行った時には、自然が溢れていて虫もいっぱいだったからです。でも、河内長野に近づくにつれ、空は黒い雲で覆われ、冷たい風がピューピュー。とても、虫どころではなくなりました。


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それでも、園内を歩いてみました。こんな寒い日なのですが、園内にはかなりの人がいます。あちこちでキダチダリア(皇帝ダリア)が咲いていました。ダリアにはミツバチが来ていたので、ひょっとすると虫がいるかもと思って、花の中をずっと見ながら歩いてみました。

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そしてやっと見つけました。たぶん、ウスモンミドリカスミカメかなと思います。

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それからツマグロヨコバイもいました。

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小さなハエも。

でも、このぐらいがやっとでした。寒いので温室に行ってみました。温室に入っても、つい変わった形の花を探してしまいます。

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これはなかなか変わった花です。

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ちょっとサトイモ科のマムシグサみたいな感じですが、実はラン科です。オーストラリアのニューサウスウェールズ州に分布する植物で、学名がPterostylis x furcillataという名だそうです。学名に"x"という文字が入っているのは、種間雑種を意味します。この場合は、P. ophioglossiaとP. alveataの2種の自然交雑種がこれで(P.はPterostylisの略です)、その種名がfurcillataというわけです。

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その隣にちょっと変わった名前の花があったので写してみました。ベンケイソウ科のミセバヤ Hylotelephium sieboldiiという花です。学名にsieboldiiとあるのは、シーボルトが紹介した種だったからです。さて、ミセバヤってどういう意味だろうと思ってネットで探してみると、どのサイトも決まって、「高野山の法師が歌の師匠であった冷泉為久に送ったものの添え書きに、『君に見せばや』と書かれていたから」と書かれていて、その出典にはまったく触れられていません。もう少し頑張って探してみると、どうやら、江戸時代の公卿で柳原紀光の随筆「閑窓自語」に書かれているようです。さらに、それは「日本随筆大成第二期第四巻」吉川弘文館(1974)に載せられているところまで突き止めました。まだ、本を見ていないのですが、今度、図書館に行った時にでも見てみます。

一昨日、家の近くの川の土手を歩いてみました。また、虫の撮影です。この時期、主だった虫はいなくなったのですが、それでもよく探すといろいろと見つけることができます。

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まずはメジャーなところから。ベニシジミです。

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次はモンキチョウです。まだまだチョウも飛んでいますよ。

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でも、だんだん興味が下の方に向いていきます。トノサマバッタがいました。

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テントウムシです。図鑑で見ても同じ模様の種がないので、何かの色変わりなのかな。

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ハチもいました。ネットで調べると、アカガネコハナバチというようです。

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ホタルトビケラもいました。もうこうなると地面にしゃがみこむようにしています。目線を低くすると、いろいろな虫が見えてきます。

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ヒメジョオンの花にいました。カスミカメのような格好をしていますが、ハナカメムシの仲間だと思います。あまり自信はありませんが、コヒメハナカメムシあたりかなと思っています。

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別の花にはカスミカメがいました。おそらく、ウスモンミドリカスミカメだと思います。

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これはその幼虫かな。下の写真はだいぶ小さかったので、別の幼虫かもしれません。

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いつもの石垣のところに行ってみました。相変わらずアリがウロウロしているのですが、その近くでアリグモをたくさん見ました。大きな顎をしているので、♂のヤサアリグモでしょうね。

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こちらは大きな顎がないので♀の方でしょうね。

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これはヒメバチの仲間です。ハチは格好がよいのでよく写真を撮りますが、名前はなかなか分かりません。

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それにこの間もいたヒメナガカメムシの5齢幼虫です。

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こんな色をしていますが、おそらくオンブバッタですね。

最後は山道の途中まで行ってみました。

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クモがいました。ちょっと見覚えがあったので、じっくり撮影してみました。フラッシュをたくとこんなに白く輝きます。ギンメッキゴミグモですね。以前から、綺麗に撮りたいと思っていたクモだったので、今日はちょっと満足です。

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