里山日記

北摂の里山近くに住んでいます。里山をぶらぶら歩きながら撮った虫や鳥、花の写真を載せています。時には旅先で撮った写真も載せます。

2013年05月

奄美シリーズの最終回です。本当は鳥を撮影に行ったので、これを真っ先に出さなければならなかったのですが、ずっと雨で、チョウや花ばかり撮影していて鳥はほとんど写しませんでした。

それでも、一応、ルリカケスは撮れました。

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ルリカケスは天然記念物になっているので、さぞかし、見るのが大変だろうと思っていたのですが、ここ、龍郷町ではまったくの普通種でした。林の中でギャァギャァと鳴く声は、決まってルリカケスでした。雨が降っているので、羽もぼさぼさ、色も良くないのですが、とりあえず撮影出来て良かったです。

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ヒヨドリもちょっと頬が色づいている感じがします。亜種のアマミヒヨドリだと思います。これも頭はぼさぼさです。

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雨の中で出てきたコゲラ。実は、アマミコゲラという亜種でした。もっと真剣に撮影すれば良かったと思っても、もう後の祭りです。

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最後は奄美空港の展望デッキで撮ったリュウキュウツバメです。

後は、蝶と蛾以外の虫の写真です。

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ホテルの玄関の天井に止まっていました。変わった模様の虫です。調べてみると、ヒラヤマメナガゾウムシという種類のようです。これも日本では、鹿児島県黒島以南で見られる種類でした。

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この虫はオキナワイチモンジハムシというようです。これも奄美以南に分布しています。

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ホテルの玄関に現れたこのバッタは、後ろに出ている尾肢の形から、南西諸島に生息するサキオレツユムシかなと思っています。

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最後の最後に、ベッドの枕の上を歩くクモ。これも、アマミ・・・かなと思ったのですが、これは普通のアダンソンハエトリのようです。

奄美大島龍郷町での観察の続きです。今回は花を取り上げました。滞在した3日間ずっと雨だったのですが、不思議とここでは花がいっぱい咲いています。その花に釣られて、雨にも拘わらずチョウが飛び回っていたのですね。

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ゲットウ(月桃)というショウガ科の植物です。もともと植えてあったものだと思うのですが、山道沿いにも生えていて、兎に角、目立ちます。写真は撮れなかったのですが、この花にツマベニチョウが止まっていました。

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コンロンカ(崑崙花)というアカネ科の植物です。これも植えてあったものと思われますが、やはり、山道沿いにも見られました。白く見えるのは花の萼片です。

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沖縄の県花デイゴ(梯梧)です。インドやマレー半島を原産とするマメ科の植物です。

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これは、アメリカデイゴ(亜米利加梯梧)といって、やはり、マメ科の木です。鹿児島県の県木になっているようです。

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イジュ(伊集)というツバキ科の花です。沖縄と奄美の固有種だそうです。

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それに、定番のハイビスカスです。この花が道に沿って植えられていて、それに、黒いアゲハ類が次々と吸蜜にやってきていました。

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この白い花はハイアワユキセンダングサというキク科の花です。熱帯アメリカ原産の帰化植物で、道端にほとんど途切れることなく咲いていました。この花にもリュウキュウアサギマダラやナミエシロチョウなどがやってきていました。

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ヒルガオ科のノアサガオです。東南アジアからオーストラリアに分布する帰化植物です。

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南米原産の帰化植物で、クマツヅラ科のチリメンナガボソウです。道端に咲いていました。

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これは、ブラジル原産のルリアザミ(ムラサキルーシャン)だと思います。やはり、道端に咲いていました。帰化植物図鑑によると、栽培種が野生化したそうです。

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これも栽培種みたいな感じですが、北米原産のオオキンケイギクだと思います。やはり栽培種が野生化したものです。

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これは、キク科のキダチハマグルマだと思います。海岸に咲いていました。

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こちらも海岸に咲いていたシマアザミです。

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海岸で見つけたセリ科の一つで、ボタンボウフウではないかと思います。ほかにもセリ科の花が2,3種咲いていたのですが、写真からは名前が分かりませんでした。

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葉が軍配のように切れ込みがあることから名付けられた、ヒルガオ科のグンバイヒルガオです。やはり海岸にありました。

どれも写真からだけの判定なので、間違っているものも多いかもしれません。あしからず。

奄美大島の龍郷町にあるホテルの外壁や自動販売機に集まった蛾の紹介です。南方系ばかりなので、私にとっては新鮮なものばかりでした。

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シロチョウのように昼間、木に沿って高いところを飛んでいました。しばらく見ていると、地面に咲いたセンダングサの花に止まりました。初め、チョウかなと思ったのですが、良く見ると蛾の仲間です。図鑑で調べてみると、モンシロモドキ(ヒトリガ科)でした。名前は聞いたことがあったのですが、今回、初めて見ました。本当にモンシロチョウのように飛んでいます。図鑑によると、南方系の蛾で、本土でも見られているが、偶産蛾であろうと書かれています。

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やはり、木のてっぺんあたりの高さで、アゲハ類に混じって、直線的にかなり速く飛ぶ、黒い小型のチョウのような姿を何度も見ました。何だろう、何だろうと思っていたのですが、とうとう止まってくれました。

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キオビエダシャク(シャクガ科)という大変綺麗な蛾です。しかし、ネットや図鑑で調べてみると、植栽のイヌマキの大害虫だそうで、南九州では注意が呼びかけられています。奄美以南に定着しているとされていますが、鹿児島でも越冬できるということが分かり、警戒されています。

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ホテルの玄関の天井に止まっていたものです。何でもない蛾のように見えますが、ヒメホシキコケガ(ヒトリガ科)の亜種で種子島以南に分布している蛾です。

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自動販売機に止まっていました。これは、ハイイロヒトリ(ヒトリガ科)というようです。見たのは初めてです。やはり南方系で、屋久島以南に分布しています。ホテルの玄関付近には、この蛾がたくさんいました。

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この蛾も見たことが無かったのですが、コフチベニヒメシャク(シャクガ科)というようです。沖縄に生息しています。

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初め、何の種類か分かりませんでした。シャクガ科やヤガ科を探しても見つからないので、諦めていました。ふと、マドガ科の止まり方に似てるなと思って、探してみると、ウンモンマドガ(マドガ科)という蛾であることが分かりました。やはり、南方系で、トカラ列島以南に分布しているそうです。

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これはカギバガ科のオキナワカギバです。本州でも見られますが、奄美で見ると、「オキナワ」という名前がふさわしく感じられます。

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これも本州でみられますが、やはり、カギバガ科のスカシカギバです。変わった形で止まりますね。

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ヤガ科のシャクドウクチバに似ていますが、後翅にまっすぐに入っている筋が違うような気がして調べてみると、アマミシャクドウクチバという奄美の固有種でした。

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全体の形からヤガ科のリンガの仲間かなと思って調べてみました。やはり、南方系のカバシタリンガという種でした。屋久島以南に分布しているようです。

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黄色い、この蛾はいかにもドクガという感じですが、南九州以南に分布するサカグチキドクガという種類のようです。

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大変綺麗な蛾です。コウセンポシロノメイガ(メイガ科)という変わった名前の蛾で、屋久島以南に分布しています。「コウセンポ」という名前がどこから来ているのか調べてみると、学名の"kosemponialis"から来ていて、さらに、それは、台湾の甲仙埔(Kosempo)という地名から来ているようです。

今回は18種類の蛾を撮影したのですが、そのうち、7割は南方系の蛾でした。チョウばかり撮影していたのですが、実は、蛾も面白いですね。

前回の続きで、奄美のチョウを紹介します。場所は龍郷町です。2泊3日で、しかも、ずっと雨続きだったので、十分に見たというわけではないのですが、雨の中を歩いた割にはたくさんのチョウを見ることができました。

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ナミエシロチョウというシロチョウ科のチョウです。私は初めて見ました。上2枚がメスで、下がオスです。白くて、やや大きめのチョウが飛んでいるなと思ったら、このチョウでした。

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これはキチョウです。最近、本土にいるキチョウはキタキチョウ、南西諸島にいるキチョウはミナミキチョウと分けられました。ただし、沖縄などでは両者が混在しているとのことです。この写真がどちらなのか、私には区別がつきません。

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奄美に生息するコミスジはリュウキュウミスジです。普通のコミスジとは、裏面の色が明るい茶色で、白い紋に黒の縁取りがあることで区別できるようです。

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これは普通のツマグロヒョウモンですね。

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後翅裏面の黒点の配置がヤマトシジミと異なるシルビアシジミなのですが、最近、琉球亜種とされていたものが、本土亜種とは別種としてヒメシルビアシジミとして種に格上げされました。小型、裏面が暗色で、黒点群が小さいという形態的特徴を持っています。

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奄美のチョウはいろいろと変わっていますが、これは普通のヤマトシジミでしょうね。

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アマミウラナミシジミです。かなり活発に飛びます。下の写真は、テリトリーを見張っているような感じの止まり方です。

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リュウキュウヒメジャノメです。検索表には翅表の眼状紋縁取りの黄色の線が不鮮明と書いてありますが、この写真からは分かりません。

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これはクロコノマチョウでしょうね。葉っぱの隙間から写したので、こんな写真になってしまいました。

本当は鳥を中心に写真を撮りに行ったのですが、雨の中、あまりにチョウがたくさん飛び回っているので、思わずチョウばかり撮ってしまいました。

昨日までの3日間、奄美大島の龍郷町というところに行ってきました。初めての奄美です。泊まったのは、倉崎ビーチのすぐそばのホテルです。本当は鳥と昆虫の撮影に行ったのですが、着いたら、チョウがやたらに目につき、チョウが中心で、ほかの昆虫と鳥がちょっとずつということになってしまいました。

奄美は1週間前に梅雨入りしたとのことで、滞在した3日間とも雨がほとんど止むことなく続きました。でも、亜熱帯の雨は何か違いますね。どこか、さらさらとした感じがあって、濡れても平気な気がしました。気温も23-4度で、よほど本州の方が熱帯だったのですが・・・。

初めは、雨でがっかりしていたのですが、雨の中でもチョウは平気で飛び回っています。朝、7時くらいになると、もう、アゲハ類が飛び回ります。そわそわしながら朝食を食べ終え、すぐに、傘を持ってホテル周辺を歩いてみました。まるで、放蝶園を思わせるような感じで、降りしきる雨の中、チョウが次から次へと出てきます。

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リュウキュウアサギマダラはとにかく多かったです。ホテルに着いた当初は夢中で撮影したのですが、翌日になると、もう見向きもしなくなってしまいました。

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一頭のメス(?)の周りをもう一頭のオス(?)がずっと飛び回っています。私が見ていただけでも10分間は飛び続け、その後、メスが木の葉に移動したら、今度はその周りで飛び続けていました。

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イシガケチョウも多かったです。遠くから見るとシロチョウが飛んでいるのかなと思うのですが、時々、タテハを思わせるような滑空をして、その後、地面にペタッと止まります。

アゲハ類もたくさんいました。

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特に多かったのがアオスジアゲハです。あっちにもこっちにもいるという感じでした。

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カラスアゲハもいっぱいいました。ハイビスカスがあちこちに咲いているので、そのまま撮っても、絵になる感じです。

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ナガサキアゲハのメスも本土産に比べて、ずいぶん、派手な感じです。やはりハイビスカスに好んでやってきました。写真を良く見ると雨の中の撮影だということが分かるでしょう。撮影する時は、傘を放りだし、カメラも身体もずぶ濡れにながら、レンズについた水滴を拭き拭きの撮影でした。それでも綺麗に撮れて満足です。

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数は少し少なめだったのですが、シロオビアゲハもいました。

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シロオビアゲハが止まるとこんな感じになるのですね。上翅の端の白い点模様の意味が少し分かるような気がします。

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数はもっと少なかったのですが、ジャコウアゲハもいました。ジャコウアゲハにはいくつかの亜種があるのですが、これは奄美・沖縄亜種なのでしょうか。

アゲハの仲間では、ほかにもモンキアゲハがたくさんいたのですが、一回も止まってくれなくて撮影できませんでした。今回は、雨の中、3日間で16種のチョウが撮影できました。この続きは、また、次の機会にします。

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